飲食店は配膳ロボットを導入すべきなのか?メリット、デメリットまとめ

ここ最近、焼肉や居酒屋さんを中心に飲食店で見かけることも多くなってきた配膳ロボット。従来からの日本社会の課題である人手不足や人件費の高騰に加え、働き方・生活様式の変化によって『非接触』が1つのキーワードとなったことで、配膳ロボットが一気に社会へと浸透したなと感じています。
配膳ロボットのメイン業務と言えば、文字通りお料理の配膳です。機体によってできることは異なりますが、私たちが展開する『Lanky Porter』の場合、下げ膳やテーブル案内、販売促進などホール業務のほとんどを担うことができます。
そんな配膳ロボットの導入を検討し始めた事業者様に向けて、今回は配膳ロボットを飲食店に導入するにあたってのメリットとデメリットをご紹介していきます。
飲食店で配膳ロボットを導入するメリット
①人手不足の補完や人件費の削減が可能
配膳ロボットを活用することで、人手不足の補完や人件費の圧縮を実現することができます。私たちが取り扱っている『Lanky Porter』の場合、お食事の配膳だけでなく、各テーブルを下げ膳しに巡回したり、新規のお客様をテーブルにご案内したり、といった一定のホール業務を行うことが可能です。
これによってホールスタッフは、主にオーダリングとお会計、お客様対応といった業務に専念できるため、土日祝日や繁忙期などのシフトが足りていない日であっても、人手不足を補完する存在として、活躍を期待することができます。
また配膳ロボット『Lanky Porter』は、仮に1日8時間×30日稼働させた場合、時給約290円と圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。ホールの業務を人とロボットがうまく切り分けて行うことで、平日やアイドルタイムなどの人件費を圧縮することも十分に可能です。さらに長引くコロナ渦で客足が読みづらい中、配膳ロボットを1台設置しておくことで、突然のピークにも安心して対応できるのもメリットの1つと言えるでしょう。
②お客様満足度の向上
お客様満足度という観点からも配膳ロボットを導入するメリットがあります。新型コロナウイルスの影響があった中、お客様に安心感を与えるためにも十分な感染症対策は極めて重要です。その点において、配膳ロボットによるお料理やお飲み物の提供は、対面での接触機会を減らすことから感染症対策としても有用です。そして有効な感染症対策を実施しているということは、お客様からの信頼獲得に繋がり、そしてお店や企業のイメージアップへと繋がります。ニューノーマルな時代の『おもてなし』の提供にこうした感染症対策はもはや必須と言えるでしょう。
また、お客様に楽しんでもらうといったエンタメ性の観点でも配膳ロボットは大活躍します。まだまだ自律走行するロボットは目新しく、なかなかお目にかからない存在。ロボットというと、無機質で味気のないようなイメージがありますが、物珍しさもあってか、お子様連れのお客様を中心に老若男女あらゆる世代の人から喜びのお声を頂いています。
感染症対策とお客様を楽しませる、両方の観点で配膳ロボットは有用なツールであり、お客様の満足度向上へと大きく貢献します。
③販売促進・客単価の向上
お客様単価の向上といった観点でも配膳ロボットを導入するメリットがあります。私たちが取り扱っているLanky Porterの場合、機体頭部にディスプレイがあり、このディスプレイにおすすめメニューや食後のデザートなどを画像または動画と音声でご案内することができます。
例えば、下げ膳をする際など、デザートやお飲み物などをご案内しながら各テーブルを巡回することで、追加オーダーを促進することができます。投影する画像や放送する音声などは管理画面から細かくカスタマイズすることができるため、効果に合わせて調整することで、客単価の向上、ひいては売り上げの向上が期待されます。
飲食店で配膳ロボットを導入するデメリット
①オペレーションを再構築する必要がある
一方で、配膳ロボットの導入にはデメリットもあります。その最たる例が、オペレーション再構築の必要性です。ホール業務の中には、配膳、下げ膳、オーダリング、お会計、テーブル案内、ドリンク作りなど、複数の業務があり、お店によって優先順位がマニュアル化されていたり、役割が決まっていたりすることが多いです。しかし、配膳ロボットを導入するということは、配膳や下げ膳といった業務をロボットに任せることを意味するため、それを踏まえたオペレーションやマニュアルを再構築する必要があります。配膳ロボットが稼働することを踏まえたオペレーションは、一度作成さえしてしまえば、その後は微調整のみで運用が可能です。ですが、導入する際にはオペレーション作成といったハードルが少なからずあるのが事実です。
②試してみなければわからないことが多い
配膳ロボットの使い方やオペレーションによって全く異なります。ホールの面積によっては、配膳ロボットを導入することで多大なる恩恵を受けることもあれば、逆にあってもなくても変わらないということもあります。
また、運ぶものによっても異なります。スープ類やドリンク類などを含め、基本的にどんなものでもこぼさずに運ぶことができますが、メニューによっては、配膳時に食べ方の説明を詳細に行うものなどもあるかと思います。こうしたお料理については、結局人が配膳したほうが良いケースもあり、レジシステムや決済システムなどとは異なり、試してみないと分からないことが多いというのも配膳ロボットならではのデメリットです。
結論として
結局のところ、配膳ロボットの導入に関しては、デメリット以上にメリットが大きいと考えています。初期段階ではオペレーション構築や運用方法の模索など、検討しなければならないことが多く、負担が多いのも確かです。
ですが、一度導入し軌道にさえ乗れば、その負担を補って余りあるほどのメリットがあります。さらに今後を見据えた際に配膳ロボットの導入はますます加速すると考えられ、であれば早いこと導入し、運用を始めるに越したことはないという考え方もできます。以上のような観点からもぜひ配膳ロボットの活用をポジティブに検討してみてはいかがでしょうか。