配膳ロボットの活用に適する飲食店の店舗条件について考察してみた

飲食業界大手チェーンでも配膳ロボットが導入され、ますます私たちの目に触れる機会も多くなってきた配膳ロボット。ありがたいことに弊社が提供する「Lanky Porter」もお問い合わせを頂く機会が増え、その注目度の高さを身をもって感じています。
そんな中で私たちも様々な店舗で配膳ロボットの稼働に立ち会わせて頂き、ある程度どのような条件の店舗であれば、導入効果が大きいのかといった、ナレッジが溜まってきたところでもあります。そこで今回は飲食店での配膳ロボットの稼働に際して、特に適した店舗の条件や特性についてご紹介したいと思います。
飲食店での配膳ロボットの稼働に適する店舗条件
居酒屋やラーメン店、食べ放題の店舗などこれまでに様々な飲食店舗で配膳ロボットを稼働させた結果、特に導入効果が大きいと考えられる以下のような店舗条件や特徴が見えてきました。
1.屋内座席が中心の店舗である
2.店舗内に段差や傾斜がない
3.最小通路幅が70cm以上ある
4.Wi-Fiの設備がある
5.座席数が25席以上ある
6.複数のホールスタッフでホールを回している
7.テーブル当たりの配膳回数が多い
8.中休みがない
前提として、1つでも当てはまらないものがあれば効果がないというわけではありません。各店舗の状況やオペレーションによっては、当てはまらないものがあっても、導入による効果が十分に見込める場合もあります。そして逆に言うと、上記の特徴に全て当てはまっているのであれば、今すぐ配膳ロボットの導入を検討するべきです。それくらい導入による効果を期待することができます。それでは続いて、これらの店舗の条件や特徴について、より詳細に解説していきたいと思います。
屋内座席が中心の店舗である
基本的に配膳ロボットは屋内での稼働を想定して設計されています。そのため、防水機能は搭載されておらず、砂利道を走るようなことは推奨されていません。テラス席のみで運営している店舗さんは殆どないかとは思いますが、屋内での稼働というのは絶対条件の1つとなります。
店舗内に段差や傾斜がない
各メーカーが展開する配膳ロボットは、現在のところ段差を上ることができません。そのため、ホールエリアに階段の多い店舗は配膳ロボットの稼働には不向きと言えるでしょう。
走行に関してもう少し詳しく見ていくと、当社が展開するLanky Porterの場合、ハードのスペックとしては2cmまでの段差であれば、乗り越えて走行することが可能です。ですが、段差を乗り上げた際の衝撃によって、配送中のお料理やお飲み物をこぼしてしまう懸念は当然あります。そのため、お食事配膳時は0.5cm程度、そしてお飲み物やスープなどの配膳時にはルート上に限りなく段差がないことを推奨しています。
店舗の最小通路幅が70cm以上
これも配膳ロボットがスムーズに稼働する上で重要な店舗条件の1つです。配膳ロボットには、人や物にぶつかってしまわないように、走行ルートの障害物を検知するセンサーが搭載されています。そのため、走行ルートの通路幅があまりに狭い場合、配膳ロボットは両サイドの壁にぶつかってしまわないようにゆっくりとした動きになります。また、狭い通路でスタッフやお客様と鉢合わせた際のすれ違いなども考慮すると、最低でも走行ルートの再送通路幅は70cm以上は確保していることが重要となります。
Wi-Fiの設備がある
当社の配膳ロボットのLanky Porterの機能をフルでご活用頂くためには、インターネット環境が必要です。確かにお料理の配膳や下げ膳といった走行に関してはインターネットに接続せずとも稼働することは可能です。一方で頭部に搭載しているディスプレイに広告画像/動画を投影したり、配送中/テーブル到着時などに「お待たせいたしました。ご注文のお料理をお届けいたしました。」などの任意の音声テキストを放送し、お客様にとってより分かりやすく運用するためには店舗にWi-Fi環境が必要です。
座席数が25席以上ある
上記の数字はあくまで目安ではありますが、座席数が25席以上ある店舗の場合、配膳ロボットの導入による効果がより大きくなると考えられます。
配膳ロボットはその特性上、オーダーやお会計といった業務を担うことができません。あくまで配膳ロボットが担える業務領域は座席案内、お料理やお飲み物の配膳、そして下げ膳です。そのため、配膳ロボットを導入したとしても、少なくとも1人はスタッフの手が必要であり、人と配膳ロボットが業務を分担することでスタッフの業務負担軽減や人手不足の解消、コスト効率化などの導入効果が生まれます。
つまり既にワンオペないし少人数で運営できている店舗の場合、配膳ロボットの導入がアドオンとなってしまう可能性があり、こうした意味で導入効果がある店舗の目安を25席以上としています。もちろん配膳の回数が多いなど、店舗によって状況はまちまちですので、必ずしもこの通りというわけではありません。
複数のホールスタッフで回している
前項でも少し触れましたが、前提として配膳ロボットのみでホール業務をすべて担うことは不可能です。ロボットを運用する上で最も重要なことが業務の切り分けです。具体的には配膳や下げ膳はロボットが中心に担い、オーダリングやお会計、テーブルセットなどの業務を人が担うという切り分けです。ロボットの導入で配膳や下げ膳などのホールのメイン業務を一部移管することによって、少ない人員でも店舗運営が可能となり、人件費の削減や人手不足の解消などに繋がっていきます。そのため、ホールは基本的に1人で運営しているような店舗の場合、あまり導入による効果は見られないでしょう。逆に複数人のホールスタッフで回している場合、ピーク時のスタッフの数はそのままに、ピーク前後やアイドルタイムの人員を削減するだけでも大きくコスト効率化を実現することが可能です。
テーブル当たりの配膳回数が多い
居酒屋や焼肉、食べ放題店などに多い特徴ですが、テーブル当たりの配膳回数が多い店舗では、特に配膳ロボットによる導入の効果が大きくなります。当社のLanky Porterの場合、1度の配送で3か所を同時に回ることができるため、1往復で人よりも多くのテーブルにお料理やお飲み物を届けることが可能です。さらに配膳と同時にお済みのお皿を持って帰ってくることができるため、後のバッシングも非常にスムーズになります。そして配膳時にお客様に呼び止められて、時間をロスすることがないのもロボットによる配膳ならではのメリットです。
中休みがない
15:00〜17:00などのアイドルタイムの中休みがない店舗では、配膳ロボットをより効果的にご活用頂けます。オーダー数の少ないこの時間帯は、ロボットが配膳/下げ膳をすべて担うことで、スタッフは心置きなくピーク準備に時間を割くことができるようになります。また、各テーブルを巡回し、販売促進を実施することでアップセルに貢献したり、人手の少ないこの時間帯の団体客の来店などによる急なピークにも備えられるなどのメリットもあります。
上記の項目が当てはまるなら、配膳ロボットを検討すべき!
今回ご紹介した8つの項目に全て当てはまるのであれば、ロボットの稼働に際して必要な店舗の条件が整っているだけでなく、導入による効果も十分に期待することができるでしょう。Lanky Porterは無料のトライアルも可能です。もし少しでもご興味のある方は、この機会にぜひ現場でお試ししてみてはいかがでしょうか。